今日の音楽

椿屋四重奏 ワンマンショー 熱視線4〜Endless Game(SHIBUYA-AX)

去年の野音以来、久々の椿屋ライブ観戦。
会場前の狭いスペースには大量の人。
ここのキャパは1700人ぐらい、で、自分の持つチケの整理番号は1600番代、それだけチケ売れてるならば、この混雑も当然か。
もうすぐ四月とはいえ、夜はまだ寒いのに、半袖のTシャツに肩にタオルをかけてるという、小学生までならば『元気でよいね』と誉められそうなスタイルの少女達が結構いた。
それだけ久々のライブを待ち侘びてテンション高まって、開演前から発熱しまくり、ということなんだろう。
客層は大半がいかにもロック好きです、てな感じのファッションのティーンから二十代前半の女性、それから男性同士で来てるのも少々。カップルが少なかった。このバンドのファンのほとんどって、ボーカル・中田さんのかわいげあるナルシストぶりに、心の母性本能的な部分をくすぐられてるっていう人だと思うので、彼氏との愛情のぶつかり合いになったら困る、てなことでカップルでは来ないのだろう。男の俺でもかわいいと思うぐらいだから、女性ならなおさらでしょう。

中に入ると、リアルすし詰め状態。CDの売上はそんなになくて、知名度も一般的は皆無なのにこの前の日比谷野音といい、今日といいこれだけの観客を集められるのは、観客を楽しませる良質なライブをしているからなんだろうと感じる。実際今日のライブで、今までサポートでやっていた人が新メンバーとして加入することを発表した際にも『ライブに楽しさを加えたい』『観客に楽しかったねと言わせたい』みたいなことを言っていたことからも、そこらへんは推測できるかも。
自分がずっと好きでいるスターダスト・レビューも、そういうスタンスでやってきて25年たった今でも活動できているから、椿屋にも是非そのスタンスを貫いてやっていってもらいたいなどと思った。今日のライブ見たら中田さんの喋りが前見た時よりも上手になっていたので、第二のスタレビと言われる日も近いのか、などとちょっと思ったりもしました。

『熱視線ライブといえばサプライズ』らしく、今回は新曲『幻惑』『トーキョーイミテーション』『サイレンス』と三曲やってました。
今までの雨風が出てくる歌詞が似合うような曲とはちょっと違い、都会的な感じの音、でもこれまでの椿屋の音楽を残しつつという感じの曲でした。恐らく十年やり続けたら味わいが出てより一層よくなるだろう『紫陽花』のような渋めの曲をやりつつ、年相応のこれらの新曲もやれるようになればかなり幅が広がるだろう、てなことを思いつつ聴いておりました。
特に『トーキョーイミテーション』はこれまでとは違ったギターリフにダンサブルな感じがして、また新たなファンを掴みそうな感じ、早く音源としてリリースされてもらいたい曲でした。

ライブのテンション、高かったです。
入場曲が紅い薔薇が舞い飛んで来そうなピアノの楽曲、一曲目がミディアムテンポの曲から始まったので『大人しい』という印象を持ったのですが、二曲目の『幻惑』から(新曲をサラっとやるところ、相当楽曲に自信を持っているんでしょう)はやられちまいました。
ライブ半ばからのハンドマイクコーナー以降は特にガンガン行ってました。
元々は三人だけでライブをやっていたらしい、ということは常にギターを弾きながら歌うということが長かったはずなのに、ハンドマイクでも手持ち無沙汰にならない、それどころかむしろ観客の心を掴む動きをできる、ということろに才能を感じました。てか、ひざまづいて『祈り』のポーズで歌う姿、女子なら『ポーッ』となってしまうやろなあと。
アンコールでは『名曲』の『紫陽花』をやっておりました。この曲はきっと十年後、バンドがずっと演奏しつづければ、より深みが出てきて、もっとよい聞こえかたをする曲なんだろうな、と聴いた後、ラストの『君なしじゃいられない』。ライブに観客が来てくれるから椿屋四重奏はやっていける、ライブバンドとしての素直な心情を表しているのか?それはともかくかっこよかったし、かわいさもあって、とても心を捕らえられた。

『今年からすごい』『必ず日本一に』という中田さんの言葉、このままやり続ければ現実になるんじゃないか、と思えるよいライブでした。

ライブのセットリストはid:caramelsyrup16g:20060331に載っておりましたので参照にして下さい。